元   さ   ん   の  山  紀  行
大 地 山 (1,167㍍)
<富山県  朝日町 > 平成17年03月07日





 先週に続いての大地山行き。好天の予報に出来れば初雪山まで、また、「山ノ神」と一緒に、途中までても良いから、初雪山感触を味あわせてやろうと、かなり早く家を出た。まだ薄暗い中、朝日小川ダム堰堤を渡るにつけ、月がきれいだと言っては、デジカメを出して撮っている「山ノ神」に、「シャッター速度が遅いし、風があるから上手く撮れないよ!」などと、早く歩く事を催促しているのに、意味が伝わらず、出発時から遅れだした。
 沈むか沈まないか微妙な雪上を、トンネルで、また脱がなければならないカンジキを我慢して壷足で進む。相ノ又トンネルを抜けて、発電所まで林道を行くのが通常のルートであるが、近道と思いすぐ斜面にあるトレースを辿った。
 「くろべ平」へ直接突き上げる杉林の斜面を行くものと思っていたそのトレースは、思いと違い西側の尾根に向かっていた。その頃、折角印刷したカシミール地図を自宅に忘れてきた事に気がつく。
 本来なら他人のトレースを頼りにするなどいけない事なのであるが、昨夜長勢君から届いたメールから、彼が歩いたトレースに間違いないと確信していたからである。ここも思いの他急登であり、また所々ズブリと沈み、たまらず私はカンジキを履く事にした。


大地・初雪山の稜線が見えて来た 621mを目指した尾根歩き 負釣山がカッコいい

 午前7時過ぎ、尾根に出ると左下にダムが見える。従来のコースより標高にして170~80m早く視界が開け、右に遠く大地から初雪山の稜線が見えて来る。 阿造谷を左下に見ながら621mのピークを目指す。
 621mのピーク当たりから、昨日の登山者が付けたトレースが遊歩道のようになっていた。これでは迷う事はない。  剱岳や毛勝の山々が、高度を上げる度に少しづつ頭をもたげて来る。青空に白い山のコントラスが素晴らしい。
 750m付近は、登り切って左折するような所で、なだらかで展望の利く所でもある。初めて訪れる方なら、必ずと言ってもいいくらいにシャッターを切りたくなる所である。


剱岳や毛勝の山々が浮かび上がって来た 一週間前に掘った雪洞跡

 なだらかに登って行き、無創塾からのルートと合流する地点の僅か下に、先週掘った雪洞跡があったが、一週間も経ったからか、それとも降雪のせいなのか半分ほどになっていた。
 二重山稜のなだらかで広い尾根を30分も行くと大地の山頂が見えて来る。チョット一服したくなる所でもある。この辺が1000mくらいで、もう少しの登りが待っているが、そこが、一番快適で素晴らしい所である。


大地山頂に向かって 海と平野をバックに 素晴らしい山々をバックに

 奥に見えるピークが頂上である。ここまで来たら苦しい!辛い!などとは言っていられない。大地山の核心部である。何も言わなくても素晴らしいのである。1200m弱の標高でこれほどアルペン的雰囲気を持った山など、私は大地山を除いて知らない。

大地山頂から初雪山を望む 強風に耐えて大地山頂に立つ



 


3/7 良いお天気に恵まれた大地・初雪山行は、日頃私に温情をかけてくださる有志の方々が所用がある事をしっていたし、こちらから積極的に募る事無く、久し振りに「山ノ神」と二人だけの山行となった。  相ノ又トンネルを抜けてすぐ斜面に取付いた時点で、家のテーブルの上に緯度経度を印刷した地形図を忘れてきた事に気が付き、そのトレースに従った。  急斜面を駆け上がり「くろべ平」から杉林を抜け稜線に抜ける一般的なルートと違い、西よりの尾根を伝い直接621mのピークに行くものであった。
 前日我らの勇士・長勢君が辿ったと思われるルートである。430mあたりから展望が開け、杉林のルートと比べものにならないほどであるが、何せ急登であり、「山ノ神」が音をあげてしまった。  稜線に出てからは、昨日付けられた「遊歩道?」に従い、初雪山や剱岳をずーっと眺めながらの登高となった。(二人で撮った画像は合わせて330枚)

 全く雲もない広々とした大地山頂は、留まる事も出来ないほどの強風が吹き荒れていた。そして、トレースどころか、昨日掘られたと思われる穴共々跡形なく消されてしまっていた。大地山頂到着が午前11時前であったが、初雪山往復には時間が足りず、予定通り「チョット先」まで、出かけるつもりであったが、30分くらい経過時点で、強風が行く手を阻んだ。
 雪面に刺そうとするストックが、風に流されて思うようにならないほどの雪煙付きの強風であった。協議の結果、「山ノ神」が大地に戻り、私がもうしばらく先に行く事になったのだが、その時 「飲み物をくれ」と言うのである。私は水物を担いでいたし、山ノ神が食料一般を担いでいたのだが、その時点でリックを開いたら、何もかもが、強風に持っていかれそうであったので、「拒否」をし、風除けを造るのにエンピ(スコップ)だけを渡した。
 私はもう少し写真を撮りたかったから、風に吹き飛ばされそうになりながら、悪戦苦闘し1223mまで進んだ。凍り付いてしまったような顔をしながら、腹をすかして戻った大地山頂では、身体がすっぽり入るくらいの縦穴が掘られていて、ようやく落ち着く事が出来た。しかし、「山ノ神」にしてみれば、「大地から初雪山を眺めながらいい気分におれたが、肝心のアルコール類がなくつまらなかった。」と言うのである、それもそのはず、コンロも私が担いでいたのだからしょうがなかった。
 ブリザードのような大地から一度下ると、雪が腐っており、「山ノ神」の足運びが極端に悪くなってしまった。「暗くなる」の一言から、またいつもの通り二人の会話がなくなってしまった。ダム駐車場着いたのが、午後6時になってしまったが、戻れて良かったと思った。家に戻ってから、今度は私の撮った画像がPCに取り込めなく、2時間ほどアタフタしてしまったのである。「3/7のコラム(山つれづれ・・・)から」


 ■■■コースタイム■■■
高岡3:45=朝日小川ダム(5:10~40)=トンネル出口6:10=430m(7:05~20)542m7:40=621m8:10=左折8:40=雪洞跡9:05(10:05~15)大地山頂上10:55=「山ノ神」と別れる11:30=1232m(12:30~35)=大地山頂上(13:20~14:55)=621m手前(16:00~10)=くろべ平(17:10~15)=発電所前17:25=朝日小川ダム(17:55~18:10)=高岡

 ■■■同行者■■■
        比佐恵