No.61 (H.19.10.21)


     娘との山行が実現した。

     「本当なのだろうか?」 とも思っていたし、
     「雨になったら何としよう。」などと思い悩んでいた。

     それが、絶好の山行日和となった。朝の内は、雨が残ったので
     あるが、何故か、私達の思いが通じたかのようであった。

     あまり長くない道程、紅葉が楽しめるなどの条件を満たしての
     「天蓋山」となったのであるが、「こんな時だけは飲むな!」 
     と「山ノ神」に慎ませたのであるが、「では、1本だけ!」 
     と変な妥協を迫ってきた。


     天蓋山頂では、大勢の登山者が「絶景」を肴に、
     思い思いのスタイルで、楽しんでいるようであった。

     こんな時は、冷たいビールを飲めば、それは気分が良いのであるが、
     今日の我が輩は、運転手を決め込んで、美味しいコーヒーで
     我慢する事に徹し、帰宅してから美味しく頂く事にしていた。

     そんな気持ちなど、全く無視している「山ノ神」の「プシュー」 
     が始まった。

     1本と約束したのに、2本目のプシューには、娘も些か呆れていた。
     脂身の肉の煙さえ気にしていたのに、母一人だけの大酒盛りは、
     娘として、恥ずかしさを、感じていたのかもしれない。

     それどころか、他の登山者から頂いた梅酒まで、平らげていた。
     家に帰って、少々遠慮かと思えば、何の事はない。

     平生並に、いや、「今日は、嬉しい日」 だと言って
     飲み続けていた。
     世には、「キッチンドリンカー」 という言葉があるが、
     「山ノ神」のものは、点滴なのだからしょうがないか・・・