元   さ   ん   の   山  紀  行
雨 飾 山 (1,963.2㍍)
<新潟県糸魚川市、長野県小谷村>
 平成17年06月19日




 6月のハレルヤ山行は雨飾山となった。午前5時高速の入善Pに集合という事で、午前4時、何時ものように筏井氏の車で迎えに来て頂いた。先月末「犬ヶ岳」での滑落事故で山行を自重していた「山ノ神」も急遽参加する事になり、高岡組は6名となった。
 定刻通り入善Pで黒部組のシュンちゃんと堀シェフと合流し、計8名2台の車で糸魚川に向かった。
 148号線経由で小谷村から雨飾山登山口に着いた頃には、さすが日曜日の百名山という事であろうか、10数台の車が駐車していた。それもかなり遠方からのものであった。


賑やかに話をしながら木道を行く 新しい標識が立てられていた 「2/11」から、急登が始まる

「4/11」のからチョッピリ残雪をみる 荒菅沢に向けて下る 荒菅沢に出る

登山口から、距離で2.4キロ、1時間半程で荒菅沢に出るのであるが、ビッシリ雪で埋まっていた。この先、夏道を辿れば距離にして2キロ、1時間半程で雨飾山頂上に到達するのであるが、天候や体調によっては、大幅にその違いが生じて来る。
 多くの残雪を見れば、おのずからその上を歩きたくなるのが、山登る者の常である。適当に登って、右脇から登山道に乗っかれば良い程の気持ちであったが、皆勢いよく登って行く。
 何処まで行くのか心配するほど、元気で速いのである。病み上がりで、軽アイゼンで、ピッケルもない「山ノ神」も、皆に負けじと登って行く。
 振り返ると、かなり急な斜面に大丈夫なのかと思ってしまう。(結果的には自分が一番心配だったが・・・)


荒菅沢はびっしり雪があった。 夏道を捨て雪渓を登る事になる 上部は意外な程に急峻であった。

 時々落石があり肝を潰す。どれだけ登ったのであろうか? この辺で、夏道に入ろうという事になるが、なかなか適当な取付きが見当たらなかった。「シュンちゃん」と堀シェフの黒部組が、別々の草付に飛び付いた。
 草付のテラスとでも言えば良いのか、そこに登った「シュンちゃん」が、補助用にザイルを出してくれた。そのザイルのお陰で、ザラザラと崩れる斜面を、皆がスイスイ登って行く。
 私は後からヒーヒーいいながら、やっとの事で追いつく。下から、熟年夫婦がやって来た。
 「ザイルを使いますか?」
 「宜しければ、使わせてもらいます。」
 しかし、その男性のザイルさばきは、只者ではなかった。この先稜線まで、一緒する事になる。その間、皆は尚も、草付をドンドン登って行く。「エーっ」こんな所を、私はザイルを束ねて、皆と同じ所を行くのであるが、どうにもならず、ピッケルを取り出し、ピックを斜面にさして確保しながら登る羽目になる。
 その先がヤブであった。ルートがやや左にそれたため、稜線に出るのに時間がかかったようであった。そして、その稜線に出る間は、シラネアオイの群落を眼前に見ながら、なるべく踏まないように歩かなければならず、尚更アルバイトとなってしまった。(残念ながら、この間の画像はない!)


雪渓からヤブを抜けて稜線に出た所 ロープを頼って・・・ 気持ちの良い稜線歩きとなる

金山・天狗原山を眺める 稜線上に咲いていたシラネアオイ 笹平と雨飾山

 標高1750mくらいであったろうか?稜線に出た。カラカラになった喉を潤おすのに一服である。荒菅沢を見下ろしながら、その距離間はさほど感じられず、夏道を辿った方が、はるかに速かったのではなかろうかと、皆口々に語ったが、その達成感は、また別で、より「非日常」的な行動に、満足そうな様子が伺えた。
 そして、ハレルヤの忘れられぬ山行の一つになる事は間違いないであろう。しかし、それも何もなかったから言えるのであるが・・・・。

 後は、ロープと短い梯子を通過すれば稜線漫歩が待っている。ここでも、ずーっとシラネアオイが咲き乱れていた。ちょっとガスのかかった金山・天狗原山を眺めながら、笹平に急ぐ。


荒菅沢を見下ろす 頂上直下のシラネアオイ 北峰の石仏と共に
「シュンちゃん」・堀シェフ

 登り始めから、ビールを何処で冷すかが心配であった。 何処に雪があるかであった。何ヶ所かの残雪を見逃しながら、笹平の荒菅沢を覗ける手前の残雪をナイロン袋にゲットし、ビールをその中に入れたが少々重い。年寄りを労わるつもりであったのだろうか、自分のビールをも冷すためだったろうか分からないが、堀シェフが持ってくれた。(助かる~。)

 フトン菱を覗きながら、山頂への急斜面にも、シラネアオイがたくさん咲いていた。山頂に上がっても、イマイチの展望と小さな虫にたまらず、記念写真を撮って、先程の笹平の雪上で宴を催す事になった。堀シェフには申しわけなかったが、そのまま雪と共にビールをそのまま持ってもらうことにした。(若いと力あるね!)


北峰から南峰の頂上を望む 雨飾山頂上で記念写真 頂上から笹平を見下ろす

 グィと飲んだ一口は、本当に美味しかった。雨飾山頂を眺めながら、厄介な虫に悩まされる事なく、雪上で、それこそ至福の時を過ごした。

 ススダケ鍋に、帰りはナラタケまでお土産にもらい、露天風呂に入った後は、またビールを頂き、そして、ハンドルも取らず・・・・・。次の雪降るまでお別れかと思うと、ちょっぴり寂しく感じた。 







 ■■■ コースタイム ■■■
高岡4:05=登山口駐車場(6:25~45)=(2/11)7:00=荒菅沢(8:20~35)~雪渓を詰める~稜線10:40= 笹平(11:15~25)=雨飾山頂上(11:45~55)=笹平「宴」(12:15~13:55)=荒菅沢(14:30~35)=荒菅沢(14:5515:10)=(2/11)16:15=登山口駐車場(16:35~50)~露天風呂~高岡

 ■■ 同行者 ■■
         筏井夫妻・伸子女史・細川女史・「山ノ神」・「シュンちゃん」・堀シェフ