元  ち  ゃ  ん  の  山  紀  行
冠  山 (1,256㍍)
<福井県池田町、岐阜県徳山村、藤橋村>
平成13年06月04日




 「有志の会」の35周年行事として加賀の温泉に泊まった。翌日散会のあと、車に積んである山の用具と共に、前々から狙っていた福井.岐阜県境の「冠山」に、夫婦同伴だった事もあって、家内と出掛けた。
 家の事で、少し気掛かりな事もあったのですが、「山好き」に免じてもらって決行した。息の合う、また大好きな友人達との宴だから、深夜まで酒を酌み交わしていた後遺症で、車の運転も眠気が漂っていたのですが、山道にさしかかった頃には、目がパッチリするから、これまた不思議です。
冠のような山頂部(冠平から)

 福井ICから、美山町を経由して、池田町に入る。池田町市街地から冠峠まで、狭い林道を23キロも行く。でも、冠峠に着けば、半分登ったようなものだ。
 冠峠には、大きな石碑があり、そこから望む山頂部は、本当に冠の形をしている。峠からは、冠山の山頂部をずっと見ながら、時には、ウグイスのさえずりで立ち止まり、耳を傾けたりしながら、歩きやすい尾根道を行く。峠より10分程歩いたら、3~4分ほど急登になるが、歩きなれた人なら問題はない。振り返ると、峠に止めた車が見える。今後は、冠山を見ながら下る。なだらかになってまた下る。どんどん下って行く山のような気がした。
風衝草原の冠平

 あまり標識のない山だが、「頂上へ1キロ」を過ぎ、階段を登ってまた下る。何度か緩やかな起伏を過ぎ今度は、「冠平へ500㍍」の標識に、今度は、間違っているのではないかと思ってしまった。もう少し行った、なだらかな視野が広がる所で、休憩していると、冠平へ向かう人達が、尾根筋に見えた。ネマガリダケの多い道筋にも、ブナをはじめとする広葉樹が、主流になるとホッとするのは、私だけではあるまい。
冠山の核心部の一枚岩を登る

 遠くに見えた尾根筋には、5分もしないうちに出てしまい、下は、広々とした風衝草原で、上は、山頂に続く一枚岩が待っている。ロープが備え付けてあり、ヒュー、ヒューと行けば、なんでもないのだが、「山ノ神」は、山好きとは言えこんな所が、大の苦手で、一つ一つ足場を、教えてやらなければならず、こんなところが、喧嘩の材料の一つになるのである。草地の道になると、リンドウのような青い小さな花が、迎えてくれれば、展望の良い頂上はすぐそこである。
冠山頂上にて

  視界はいいのであるが、霞んでいるのと、馴染みのない山なので、山座同定には困った。地元の若い登山者に、何時の日にか行きたい「能郷白山」の山並みを辛うじて教えてもらったのが、せめてもの救いだった。
   昨夜の宴会の後遺症と、道程が長い故に「ビール」を用意しなかったのが、山頂に立ってから、その寂しさを思ったが、たまには、宴会のない山登りもいいものだと慰めた。何時もより、短い山頂滞在時間だったが、帰りの事を思うと、少しでも早くが、正解である。風衝草原の冠平は、このあと、ニッコウキスゲやササユリの宝庫として、可憐な姿を見せるのであろうと思った。


  ★★★コースタイム★★★

片山津8:55=尼御前9:05=福井IC9:35=池田町10:05=冠峠(10:55~11:17)=冠平12:13=冠山頂上(12:24~56)=冠平(13:08~19)=冠峠(14:09~25)=池田町でそば食べる(15:07~25)=福井IC16:05=女形谷P(16:17~23)=不動寺P(1703~08)=高岡IC17:27

  ☆☆☆同行者☆☆☆

         比佐恵